スキッベ監督の退任記者会見を、中国新聞デジタルで読みました。
一問一答のすべてが誠実で、どの言葉も静かに胸に落ちていくようでした。
とくに、ACL2の敗退と、その前後の「すれ違い」が語られた部分を読んだとき、
胸がぎゅっと締めつけられるような感情になりました。
「もし、あのミスがなかったら」
「もし、もっと話し合いができていたら」
サッカーにはIFがないとわかっていても、
どうしても考えてしまいます。
プログラムのように別ルートをテストすることはできないからこそ、
余計に心がしんと痛むのかもしれません。
ACL2出場を決めた、アビスパ福岡戦の荒木選手のゴール。
あの瞬間の喜びを思い出すと、涙がにじみました。
マルコス選手のパスが、もしもう少し浮いていれば、
あのゴールが、もしなければ、
もしかしたら「スキッベ監督とまだ一緒に歩ける未来」を
つないでくれていた可能性があったのだと思うと、
なんとも言えない寂しさが湧いてきます。
正直、私は自分の気持ちを守るために、
スキッベ監督はビジネスライクに割り切れるタイプの方なのだと
心のどこかで思い込もうとしていました。
そうすれば、神戸の監督になられるかもしれない未来を
冷静に受け止められる気がしたからです。
でも、会見の言葉には、
クラブや広島の街への深い愛情が滲んでいて、
「ああ、この4年は本当に大切だったんだな」と
読みながら何度も思いました。
その分、別れが一層つらくなりました。
もし最初の契約延長打診のときに、
監督が「やりましょう」とおっしゃっていたらどうなっていたのか。
そんなことを考えても仕方がないとわかりつつ、
やっぱり考えてしまいます。
それでも、サッカーはいつも前に進んでいきます。
新しい監督、新しいサンフレッチェが、
スキッベ監督と歩むよりもっと良い未来へ向かっていく可能性も、もちろんあります。
今回の会見で「裏側」を話してくださったのは、
スキッベ監督の選択だったのでしょうか。
知りたかったことではありますが、
知ってしまうと、胸の奥に静かなもやもやが残りました。
別れとは、こういうものなのかもしれません。
感謝と寂しさと、もう一つ言葉にならない気持ちが、
同じ場所に同居してしまう。
ACL2出場も、ACL2で起こったことも、スキッベ監督とのこのタイミングでの別れも、
すべて、なるべくしてなったこと。
運命だったのかもしれないし、運命は別にあったけど、すべての関係者がよかれと動いたことで、この結果を作り出したのかもしれない。
どちらであっても、現時点までの過去は決まってしまいました。
年表がもっと進んで、この4年間がおおきな年表のごく一部になったとき、
「スキッベ監督との4年間があったから、こんないい今になったよね」って、
想える未来が待っていてほしいです。
スキッベ監督、4年間ありがとうございました。
あなたが大切にしてくれたこのクラブが、
これからどんな景色を見せてくれるのか。
寂しさを抱えながらも、前を向いて応援し続けたいと思います。




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