日能研の感想
4年生の夏から日能研に通い始め,6年生の受験完了までの3年弱,トータル200万円くらいの出費となった。おそらく,塾としては高い方だろうと思う。
学年が高くなるにつれ,授業が増え,授業料も高くなる。6年生の夏期講習は10万円かかった。
6年生後半は,志望校ごとの特別授業も始まり,あれもこれもと受講すると,それぞれにお金がかかるシステムだった。
すばらしい基幹システム
テストに関する情報システムはすばらしかった。
専用のテキスト,問題集も内容が充実しているし,カリテという定期テスト,公開模試も頻繁に行われ,すべてのデータはインターネットの個人サイトで把握できる。
点数や偏差値だけでなく,問題ごとの正答率や,弱点,教科すべき点など,情報量が多く,しかも早い。
テストはすべてデータ化されるので,すぐ返却され,復習も可能。
月謝が高いだけのことはあり,提供される情報として貧乏性の私がもったいないという気持ちは全くなかった。
カリテ結果で変わる座席
カリテの度に,クラス内の順位が出て,その順位の席に座り,授業を受ける。
これは塾に入る前の説明会でも聞いていた話だったが,なかなかきついシステムだなと感じていた。
順位がよいと子供はうれしそうだったが,同時にそれは次に落ちるかもしれないことを意味する。
落ちると,あからさまに全員に知られ,自分も思い知る。
そのために頑張れるのかもしれないが,自分に置き換えるとつらい。
このシステムがもし子供に合わなければ,転塾も考えていた。
だが,それについて子供は「特につらくはない」というので,続けた。
今考えると,私に気を遣っていたのかもしれない。
クラス変更のエピソード
子供が通った教室では,3つのクラスがあった。
成績の低い方から,1組,2組,3組だった。
子供は最初2組で,比較的その中では上の順位だった。
定期的なクラス入れ替えがあり,一度だけ3組になったことがある。
その時は「おめでとう」だったのだが,その後しばらくして初めて子供から「つらい」と言われたことがある。
ほとんど一番後ろの席で,かつ,テストの成績について同じクラスの子からいじわるなことを言われたらしい。
次のクラス替えで,2組に戻った。
先生からはクラスが下がることについて,電話でフォローがあったが,3組だといじめのターゲットにされる雰囲気があったので,「大丈夫です。2組でがんばります。」と答えておいた。
2組ではやはり半分よりはいつも前の席となり,友達とも馬が合い,平和そうだった。
属するクラス,その中のどのポジションに位置するかで,同じ塾でもだいぶ環境が異なるようだった。
信頼できる先生
ほかの塾でもあるのだと思うが,定期的に親が呼ばれ,先生との面談があった。
最初の頃は,広島学院にも合格できるようなことを言われていたが,最後の方になると「広島学院は難しい」とはっきり言われるようになった。
修道には合格できるかもしれないが,入ってからは中位となるだろう。
修道に入れたことで,満足してしまい,勉強しなくなるかもしれない。
そのくらいなら,中学受験の結果は悔しいくらいの思いをして,近大東広島に入る方が,大学受験を考えると良い結果になるかもしれませんよ,と言われた。
かといって,本人は修道を目指しているから,合格したら行かせるしかない。
なのに,なぜそんなことを言われるのか。修道に落ちたときのフォローのためか?その時はそう思った。
その6年後,結果的にその時の話を思い出すことになる。
先生はよく見られている。経験豊富な,優秀な先生だったのだと思う。
入試当日の心強いバックアップ
日能研でよかった,と一番感じたのは,入試当日のバックアップだ。
修道の入試の時は,日能研関西の代表の方が現地まで来てくださり,力強い言葉をかけてくださった。
先生方もたくさん来てくださり,ひとりひとり握手しながら受験生が受験会場に入るまで,見送ってくださった。
紫のNマークのリュックで友達と会場に入る後ろ姿は忘れない。
自信に満ちているように見えた。本当に心強かった。
ほかの塾も同じような光景はあったが,同じリュックだったせいか,場所がよかったのか,人数が多かったからか,とにかく目立っていたし,その中に自分がいることに安心していた。
入試結果
事前に先生から見通しを聞いていたとおり,広島学院は不合格。
その他,修道,崇徳,広島なぎさ,近大東広島は合格だった。
当然のように,志望していた修道に進学することになった。
「大学入試を考えたら近大東広島がいいかも」先生の話を思い出して,打ち消した。
日能研はオススメか?
私的に,日能研はオススメできる。
確かに塾代は高いが,特に勉強の状況を把握するのにシステムが充実している。
テキストも読んでみてよくまとまっているすばらしいものだったし,先生もアルバイトではなく専任の方だった。
入塾を決めた時に信頼できるなと感じた教室長の先生は,異動なのか辞められたかで,次の年にはおられず,残念だったが,学年ごとに信頼できるなと感じられる先生が数人はおられた。
教室がたくさんあり,その中で異動もあるようなので,先生との相性により成果も変わるかもしれない。
優秀な小学生が集まっており,それぞれ勉強をがんばる意識も高いと感じた。
席替えやクラス替えのシステムに適応できる子供であれば,頑張れる環境は整っていたと思う。
塾選びに後悔はしていない。
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