はじめに
昨年の夏から、仕事以外の時間はサッカーを観ることに夢中で、他の情報にはあまり気を使っていませんでした。そんな中、ネットで偶然目にした言葉「静かな退職」。最初は「最近、変わった退職の仕方が流行っているの?」と思い、何となくクリックして読んでみました。
「静かな退職」とは?
この言葉の意味を知って驚きました。「退職はしないけれど、退職したかのように働かない」というスタイルが「静かな退職」と呼ばれているのです。アメリカで広まり、最近では日本にも浸透してきているのだとか。
なるほど、と思うと同時に、これまで自分が感じていたことが言語化されたような気がしました。
日本での広がり
日本でも、この働き方が今後増えるかもしれません。解雇されにくい環境だからこそ、この傾向は強まるのではないかと感じています。
特に50代になった自分には実感がありますが、キャリアの先が見えてくると、年齢を理由に給与がカットされることがあります。その時の気持ちは、予想以上にガクッと来て、やる気が失われるものです。
キャリアの終盤と「静かな退職」
とはいえ、年齢的に転職も難しく、フリーランスとして働けるスキルもありません。だから、定年まで今の職場で働き続けるしかないのが現実です。
そうなると、自然と「省エネで働きたい」と思うようになります。
周りの状況と自分の選択
最近、気づいたことがあります。それは、周りの人たちが意外にも仕事を断っていることです。自分の範囲を決め、それ以外の仕事には無責任に振る舞い、全体をうまく回すために動く人が少なくなってきているのです。そして、その少数派の人たちは、むしろ報われないことが多いです。協力的に動いても批判されたり、失敗して評価を落としたりすることさえあります。
その一方で、何も行動しない、無責任な人が評価されることがある。これが現実なのかと愕然とし、気づけばやる気が失われていきました。
今振り返ってみると、そうした「自分の範囲だけを守る」働き方をしている人たちは、まさに「静かな退職」を実践しているのかもしれません。私も今では、休職状態に戻りたくないという気持ちから、必要であれば「その仕事は自分には無理だ」と相談することもあります。給与が減らされている以上、自分ができる範囲で働くのが一番だと思うようになりました。
若い世代、20代や30代の人たちにもこの働き方が広がっているとすれば、少し心配にもなりますが、結局、それは一人一人の価値観や仕事に対する姿勢の問題です。もしそれが問題だと感じるなら、管理職が対策を考えるべきだと思います。
結論
私が今の働き方を選んだ結果、得られるメリットもあれば、避けられないデメリットもあります。それもすべて自己責任であり、他人から批判されるべきものではないと感じています。割り当てられた仕事をきちんとこなしているので、特に悪いことはないと思います。
同じ量と質の仕事を8時間で終わらせる人もいれば、時間外勤務をしないとできない人もいます。比較が難しい場合、時間外勤務をしている人の方が評価されることだってあります。例えば、100%の力を出せば5時間で終わる仕事を、70%の力で8時間かけたとしても、その差は見分けがつきません。
「静かな退職」をする人が増えすぎると会社が危うくなるのではと懸念する声もありますが、今のところまだ少数派だとしたら、賢い働き方の一つかもしれません。自分が一生懸命働いていた頃は、そのような人たちを無責任で自己中心的だと思っていましたが、今になって、最初からワークライフバランスを守っていた彼らが賢い選択をしていたのかもしれないと感じています。
仮に今後「静かな退職」を選ぶ人が増えたとしても、そのようなメンバーをうまくマネジメントするのが管理職の役割です。それだけの報酬をもらっているのですから。
最初は「静かな退職」という言葉がわかりにくいと感じましたが、今ではその働き方をしている人たちを見分けるのが難しいため、このネーミングは良い選択だと思えるようになりました。
久しぶりにネットの記事で興味を持ち、その後、自分なりに色々と考えさせられたことでした。
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