呼び捨てにできない話

雑記

私は、人を呼び捨てにするのが苦手だ。

友達でも、後輩でも、恋人でも。

なんなら自分の子どもでさえも、どうしても呼び捨てにできない。

名前のあとに「さん」とか「ちゃん」とか「くん」とか、何かしらつけてしまう。

意識してそうしてるというより、気がついたら、そうなってしまってる感じ。

それがクセなのか、性格なのか、何なのか、正直よくわからない。

でも、誰かの名前をそのまま口に出すと、少しだけ心がざわつく。

なんだか相手との距離が急に縮まりすぎてしまうような、不安に似た感じ。

呼び捨てって、ちょっと強い言葉だ。

親しみや愛情を込めて呼ぶこともできるけれど、

そのぶん、軽さや乱暴さにも転びやすい気がしてしまう。

私が呼び捨てにできないのは、相手に対してどこかで「すごいな」と思っているからかもしれない。

近しい人であっても、「この人にはちゃんと敬意を払いたい」と、自然に感じてしまう。

あるいは、自分の中に「呼び捨てにできるような立場じゃない」という意識があるのかもしれない。

昔から、そういう風に思い込んでいるところがある。

たとえば子どもを育てていると、「親なんだから、名前くらい呼び捨てにして当たり前」と思われることもあるけれど、

私はどうしてもそれができなかった。

名前を呼ぶたびに、心の中でそっと敬語を使っているような気がする。

「○○、今日も元気そうでよかったね」って、やさしく話しかける感じ。

もしかすると私は、人とちょっと距離を取りながら、でもちゃんと好きでいたいのかもしれない。

みんなはどうなんだろう。

呼び捨て、できる人? それとも、私みたいに、つい何かつけちゃう人?

呼び方って、その人の性格が出るし、関係性もあらわれるから、なんだか面白いなって思う。

私はきっとこれからも、誰かの名前に、なにかをそっと添えながら呼び続けるんだろうな。

それが、自分にとってちょうどいい距離のとり方だから。

プロフィール
この記事を書いた人
たけのこ

50代女性会社員です。子育てがひと段落し、趣味を楽しみながら定年までの会社員生活を過ごしています。
趣味はサンフレッチェ広島を中心としたJリーグ観戦。最近はWEリーグも気になり始めました。その他、好きなYoutuberさんの話など、日々気になったことを綴っています。

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