こんにちは。たけのこです。
昨日、林卓人選手の現役引退が発表されました。
ここ数年、あまり試合には出られていなくて、スターティングメンバーが発表されると「どうされているのかなぁ」と思うことが多かったです。
でもやっぱり、サンフレッチェのゴールキーパーと言えば、一番に思い浮かぶのは林選手。
どんなに最近は大迫選手や川浪選手が活躍され目立つ存在でもやっぱり、「林選手がいてくれている」ということには、安心感を持っていました。
サッカー選手はいつまでもチームにいてくれるわけではないことは、わかっています。
でも、何事もなく在籍されている時には意識しにくい、サポーターにとって大きな存在になっている選手って、おられます。
私にとって林選手は、そんな選手だったのだと思います。
現役引退のニュースを見て、じーんとくるものがありました。
林卓人選手について、私が覚えていること
林選手は、私がサンフレッチェのファンになってから入団されたので、入団会見や、札幌に移籍されるまでの記憶も少しあります。
いわゆる私の感覚では「ゴールキーパーっぽい雰囲気」の選手で、若いなぁという印象でした。
ですが、最初に在籍されていた時には、プレーを見たことがありませんでした。
試合前に練習される際には必ず見ますから、当然名前は知っているんですけど、そこまで。
当時、正ゴールキーパーとして下田崇選手がいらっしゃったので、なかなか試合に出られてなかったんですよね。
そして、気づいたら移籍してしまわれていたんです。
その後、コンサドーレ札幌で試合に出られているのを知り、よかったなぁと思っていたんですが、そこから、気づくといつの間にか仙台に移籍されていて、また気づくとJ1で活躍されていて、いつのまにか日本代表にも選ばれている。
気づくといつもステップアップされている選手、というイメージでした。
仙台でプレーされている姿をテレビで見た時には、「下田選手といっしょにアップしていた若い選手」の雰囲気は全然なくて、Jリーグでも代表的なゴールキーパーになられていたので、もう「よそのチームの有名な選手」という存在になっていました。
2013年。2年連続でリーグ優勝したにもかかわらず、西川選手が浦和レッズに移籍してしまうことになりました。
西川選手のことは、ゴールキーパーとしてすごい選手だっただけでなく、キャラクター的にも親しみやすく大好きだったので、移籍したいのだと知ってかなりショックでしたね。
しかも2年連続リーグ優勝していた時でしたから。なおさら。
その時は、「サンフレッチェ広島って、リーグ優勝しても出て行きたいと思われるような、魅力のないチームなのかなぁ」とサポーターの一人として、残念で悔しい、寂しい気持ちになってました。
そんな時、林選手がサンフレッチェ広島に完全移籍で戻ってきてくれるというニュースを知りました。
驚きました。他のどのチームでもやっていけるであろう存在に、名実ともになられている林選手が、優勝しても選手が出て行ってしまう広島に戻ってきてくれるなんて。
なんとなく、試合に出られなかった広島にはいい思い出はないのではないか、と想像してしまってました。
でも違ってました。
「前から戻ってきたかった」「広島でプレーしたかった」という主旨のコメントを当時、してくださっていたと思います。
うろ覚えですが、「年俸が少なくともいいから、最後の半年だけでも広島でプレーしたいと思っていた」というようなうれしい発言もしてくださっていた記憶があります。
うれしい反面、思わず、広島の出身の方だっけ?と、プロフィールを確認した覚えがあります。
広島出身だとか、サンフレッチェ広島ユース出身というならなんとなくわかるのですが、大阪出身で、ユース出身でもないんですよね。
サンフレッチェサポーターなのにもかかわらず、正直「なぜ?」と思ってしまった記憶ありますね。
それだけ、選手が次々に浦和レッズに移籍してしまって、広島に自信を持てなくなる心境に陥っていたんでしょうね。
理由はよくわからなかったですけど、とにかく完全移籍で戻ってきてくださって、西川選手が移籍してしまったことの影響は全く感じませんでした。
むしろ、広島から出ていきたいかもしれない選手ではなく、「広島でプレーしたい選手」がゴールを守ってくれていることに、安心感やうれしさがありましたよ。
しかも、2015年シーズンは守護神として優勝をもたらせてくれました。
いろんな意味で、ほんとに感謝しかない選手です。
今回の現役引退のニュースで、「41歳」と聞き、驚きました。
あの入団会見の時、若い選手だな~と思っていた林選手がもう、41歳だなんて!
余裕でまだ30代と思ってました。最初の数年試合に出られていなかったからあまり気づかなかったけれど、青山選手よりも何歳も年上だったんですね。
近年は、年齢からくることで大変なこともあったのではないかと想像します。
ほんとにお疲れさまでした。長い間、ありがとうございました。
エディオンスタジアムのラストとともに引退されるということにも、ドラマを感じますね。
うれしいことに、引退後はサンフレッチェに残ってくださるそうです。
いろんな選手のコメントから、人間的にも魅力のある方ですし、キャリアはすごいですし、なにより「サンフレッチェが一番!」とずっと思ってくださっている林選手が今後もチームに携わっていただけるのは、サポーターとしてもほんとにうれしいです。
エディオンスタジアムの最終戦の後、引退セレモニーがあるそうです。
絶対見届けなければ。きっと、ずっと記憶に残るでしょう。
また最終戦後に更新しますね。
最高の引退セレモニー
行ってきました。エディオンスタジアムラストゲーム。
当日は疲れて眠ってしまい、翌日書いてます。
心に染み入るチャント
林卓人選手のチャントって、めっちゃいいですよねー。
歌詞が名前だけで、シンプルだけど、メロディが染み入ります。
活躍をたたえる時、励ます時、感謝するとき。すべての場合にそう聞こえるし、昨日のように引退を惜しむ時にもそう聞こえる。
試合前の練習の時からセレモニーの後まで何度も歌われていて、どの時も「これが最後かもしれない」と思うと、どれも心に響きました。
途中からいっしょに歌いました。帰り道も翌日の今日も、何度も鼻歌で歌うくらいはまりました。
人柄を感じたスピーチ
交代出場できる展開にしてくれたことをチームメートに感謝するところから始まり、これまでお世話になった方、お世話になったチームへの感謝をエピソードを含めて丁寧にコメントされてました。
特にすごいなと思ったのが、クラブハウスがある吉田町の方々への感謝です。
新鮮なお米や野菜を届けてくださる時に、袋に何か一言書いてくださっていたことに言及されていました。
日常的に人の細かい心づかいに気づき、感謝の気持ちを持っておられる林選手だからこそ、引退スピーチで取り上げられたエピソードだと思います。
最初に大型ビジョンで、入団記者会見から始まる動画を見ていた時から目頭が赤くなりつつあったのですが、林選手のプロ生活での苦労と真面目さ、どこまでも周りに感謝されている繊細で優しい人柄を感じ、いつの間にか涙が流れてました。
極めつけは、下田選手のコメントの時ですかね。
林選手はずっと、下田選手を目標にされていたという記事を読んだことがあったので、下田選手の言葉のひとつひとつに、たくさんの思い出がよみがえるんだろうなぁと想像しているだけで新しい涙が出てきました。
その後、林選手がビジョンに映ると、ユニフォームをたくし上げて顔を拭かれていたので、その姿でさらにこみあげてきました。
選手の引退セレモニーで、こんなに涙が出たのは初めてでした。
どちらかというと、フィールドプレイヤーの方に思い入れはあり、ゴールキーパーにはそんなに注目しない私でした。
それなのになぜでしょうね。
なんというか、林選手の「人となり」を感じられたスピーチだったからではないかと思います。
引退される選手ですけど、人として一気にファンになりましたね。
プロサッカー選手というと、選ばれた人しかなれない華やかな職業で、活躍されている選手は特に芸能人のような派手でスターのイメージがありますが、プロとしてやっていくことはとても厳しくて、地味な練習の積み重ねなのだなと思いました。
そして、その努力ができるのは、選手である前に社会人として一人前であれと、普通と言えば普通の教えを受けたことを、林選手が感謝されていたのが印象に残りました。
そのような教育を受けていないように見える選手がいたのかもしれませんね。
改めて、人としてプロサッカー選手として周りの見本となっていた林選手が、コーチスタッフとしてサンフレッチェ広島に残ってくださるということがうれしくなりました。
大迫選手への「背番号1」引継ぎ
スピーチの終わりに、「僕の最後の大仕事」として、「背番号1」を大迫選手に引継ぎされていました。
大迫選手は、笑顔でユニフォームを受け取られてましたが、私は大迫選手が内心どう思われているか少し心配でした。
日本代表にも選ばれているし、もしかしてステップアップとしてどこかビッククラブとか、海外移籍とか考えていたところだったら困らないかなと。
今朝、中国新聞を見ると、「びっくりしたけど素直にうれしかった。特別な思いがある。」という大迫選手のコメントが載っていたので、ホッとしました。
林選手は、足立強化部長との相談のうえでの背番号1引継ぎだと言われていたので、少なくとも来シーズンの背番号は背負ってくれるつもりなのかなと期待しています。
レプリカユニフォーム、売れるでしょうね。
まとめ
サンフレッチェ広島のゴールを守ってくれた守護神、林卓人選手が現役引退されました。
41歳とのことですが、私などから見れば力の衰えなどわからないですし、まだ現役をされるという話でも違和感は全くありません。
それなのに、なぜ引退されるのだろうと思っていましたが、引退のスピーチを聞いて、次のように想像しました。
後継者としてふさわしい大迫選手が現れ、完全に任せられる状態になったこと。そして、好きなクラブであるサンフレッチェ広島で新しい目標ができ、そこに向かいたい気持ちになったことが、引退される理由なのかなと。
ホーム最終戦前夜祭で、中島浩司さんが言われてました。
サンフレッチェ広島は、いる選手の質がいい。人となり、人格がいい選手が多い。人に感謝、リスペクトするような選手が多かった。と。
今西さんが作られた雰囲気なのだそうです。
そんなよい雰囲気のサンフレッチェだから、そこで次世代のゴールキーパーを育てたいと思ってくださったのかなと。
そんな想像をして、納得して、気持ちよく引退を見届けられました。
林選手、長い間ほんとにありがとうございました。
おつかれさまでした。
これからもよろしくお願いします。
2023/12/04追記 引退記者会見のコメントを読んで
来シーズン選手として契約しないことをクラブから言われたことで、引退を決められたそうです。
現役を続けるために他チームへの移籍を模索することもできたけど、大好きなサンフレッチェで引退することを選ばれた、ということでした。
ちょっと意外でしたけれど、そういう引退の決断もあるんですね。いや、もしかしたらその方が多いのかもしれませんね。
サンフレッチェ広島としては、選手として契約しないことを伝えたのではなく、チームのスタッフになってほしいことを伝えられたのだと思います。
林選手が選択できる状況を作ってくれたのでしょうね。
そんな中、広島で終わることが幸せだと選択されたことを、誇らしく思います。
チームの方向性や人間関係に対してネガティブな感情があれば、そのような選択にはならないでしょうから。
もちろんサンフレッチェで現役を続けられるならそれがベストだったのでしょうが、色々な事情の中で、クラブとしては功労者である林選手に誠意ある対応をされたのだと思います。
「新スタジアムでプレーしたかった」というコメントや、まだまだできそうなプレーを見たから少し切なくはありますが、引退セレモニーも心に残る素晴らしいものでしたし、林選手が納得し次に向かわれているなら、拍手を送りたいと思います。
大迫選手への背番号1の継承は、クラブ発案だったのですね。
サポーターのための演出だったということですが、ほんとによかったですよ。
私は、あのスピーチを聞いて、林選手のイメージはさらによくなりました。
セレモニーも、記憶にしっかり刻まれましたよ。泣きましたしね。
そういう意味では、背番号の継承がクラブ発案だと言わなくてもよかったのではないですかね。
でも正直な方なのでしょうね。そういうところも人間味があって好きです。
ゴールキーパーって、ほぼ一人しか試合に出られないんですものね。
そんな中、4人で切磋琢磨し続けるって、どんな雰囲気なのか想像すると、ピリピリしたものもあったのでしょう。
ほんとにおつかれさまでした。チームに残ってくださってうれしいです。
コメント