朝起きてニュースを見た瞬間、胸の奥がふっと沈みました。
「今シーズンで退任」
全く想像していなかったわけではないのに、
その一行が想像していた以上に重くて、ざわついた気持ちのまま家を出ました。
お昼休みや帰りのアストラムラインの中で、いくつもそのニュースを読み返しました。
帰宅して、コートを着たまま居間の床に座り込んで、Xのポストや掲示板の書き込みを追いかけました。
時間が経過するほど、じわじわとショックが心に広がっていきました。
監督交代のニュースで、こんな気持ちになったのは初めてです。
それは「応援しているチームの監督が変わる」という出来事ではなく、
お世話になった上司や先輩が、退職されることを知った時のような、
人柄が好きで頼りにしていた近所の人が、急に引っ越してしまうと知った時のような…
とにかく、
身近で大切な人が、遠くへ行ってしまうと知ったときのような、
そんな時の気持ちに似ています。
心のどこかで「もしかしたら今シーズンが最後かもしれない」と、何度も思ったことはありました。
でも、成績は悪くないし、ルヴァンカップも優勝しましたし、ACLエリートの戦いも続きます。
だから、きっとスキッベ監督は広島にいてくださる。
そう信じようとしていました。
スキッベ監督のサッカーに挑戦したいと語られていた選手もいましたし、
チームの雰囲気に惹かれて広島を選んでくださった選手もいました。
そして、なにより、スキッベ監督のサンフレッチェ広島が好きでした。
ただただ――寂しいです。
選手の移籍で心が揺れたことは何度もありますが、
監督の退任で、涙がにじむほどショックを受けたのは初めてです。
20年以上サンフレッチェを観てきましたが、
ここまで「一緒に戦っている」と感じるくらい応援するようになったのは、
スキッベ監督が率いる今のサンフレッチェになってからです。
ホームゲームは必ず現地へ行き、
アウェイはDAZNの前で息を詰めて観戦して、
INSIDEも欠かさず観て、
試合がない週末はぽっかり心に穴が開いたようになる。
そんな生活になったのは、スキッベ監督が作り上げたチームだったからです。
昨日までちゃんと気づいていなかったけど、
サンフレッチェをここまで深く好きになったのは、
スキッベ監督のおかげだったのかもしれない、と今、思います。
監督がずっと変わらない、なんてことはない。
頭ではわかっています。
監督を続けられると知ったら、「こうしてくれたらいいのに…」と色々感じることもあったかもしれません。
でも、監督が退任されると知った今、「続けていただきたかった」そればかりです。
今後どこへ行かれるのかまだ発表はありませんが、
もしJリーグのクラブに行かれると知ったら……胸が痛むと思います。
海外で指揮をされるとしても、それはそれで寂しい気がします。
この気持ちは、きっと次の監督が発表されるまで続くのでしょう。
どなたが引き継がれたとしても、今はまだ前を向ける自信がありません。
しばらくは「スキッベ監督だったら」と思ってしまいそうです。
あまりにもスキッベ監督の存在が、大きすぎるんです。
いつ、この感覚が過去のことになるでしょうか。
スキッベ監督、ありがとうございました。
あなたのサッカーで、あなたの背中で、
私の中のサンフレッチェは、大きく変わりました。
この感情は、大げさではありません。
それほど大切なものを、あなたは残してくださったのだと思います。
残りホームゲーム2試合、しっかり目に焼き付けるため、ピースウイングに行きます。




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