鞆の浦へ行ったとき、入江豊三郎本店で保命酒を購入した。

名前に「命を保つ」と書かれているだけに、最初は少し薬っぽいお酒を想像していたような気もする。
ところが、実際に飲んでみるとおいしかった。
私は、試飲の時いただいたのと同様に、ロックで飲むことが多かった。薬味酒という名前ほど構えなくてもよく、少しずつ飲む時間が楽しみになっていた。
大切に少しずつ飲んでいたのだが、気がつけばもうなくなりそうになっている。
こんなに気に入るのなら、もっと買って帰ればよかった。
そう思ってから、鞆の浦を歩いたとき、入江豊三郎本店以外でも保命酒を見かけたことを思い出した。
同じ「保命酒」なら、どのお店で買っても同じ味なのだろうか。それとも、造っているお店によって違うのだろうか。
気になったので調べてみた。
保命酒は鞆の浦の4社で造られている
現在、保命酒を造っているのは、鞆の浦にある次の4社だという。
- 入江豊三郎本店
- 岡本亀太郎本店
- 八田保命酒舗
- 鞆酒造
福山商工会議所の紹介によると、4社では成分が微妙に異なり、味にも違いがあるそうだ。どの店舗でも試飲ができるため、実際に飲み比べて好みのものを探すことが勧められている。
私は鞆の浦で何となく入江豊三郎本店に入り、そこで保命酒を買った。
けれど、知らないうちに「4つの味のうちの一つ」を選んでいたらしい。
そう考えると、ほかの保命酒も飲んでみたくなる。
そもそも保命酒とは?
保命酒は、1659年から鞆の浦で造られている伝統的な薬味酒で、「和製リキュール」とも呼ばれている。
もち米、米麹、焼酎などで造った甘い原酒に、さまざまな薬味を漬け込んで造られる。
入江豊三郎本店では、もち米と麹米、焼酎から造った原酒に、高麗人参、菊花、黄精、桂皮、枸杞子、甘草、丁子など、16種類の薬味を漬け込んでいるという。
甘さがあるのは、保命酒の土台が本みりんに近い造り方だかららしい。
薬草だけを漬けた苦いお酒ではなく、米の甘みやうまみを持つお酒に薬味の香りが加わっている。それがおいしく飲めた理由なのかもしれない。
4社の保命酒にはどんな違いがある?
すべての薬味や配合割合は公開されていないため、単純な成分表で比較することは難しい。
ただし、各社の公式サイトを見ると、それぞれのこだわりは少しずつ違っていた。
| 製造元 | 紹介されている特徴 |
|---|---|
| 入江豊三郎本店 | 自社で原酒を造り、16種類の薬味を漬け込む昔ながらの製法 |
| 岡本亀太郎本店 | 自社醸造の本みりんを使用。米のうまみを生かした濃厚な味わいを重視 |
| 八田保命酒舗 | 昔ながらの味を目指した赤ラベルと、味や香りを追求した緑ラベルがある |
| 鞆酒造 | 砂糖や人工甘味料を使わず、原酒由来の独特の甘みを生かしている |
岡本亀太郎本店では、昔ながらの保命酒のほか、生姜を加えたものや、甘さを抑えてアルコール度数を40度にした保命酒なども造られている。
八田保命酒舗には、伝統的な味を目指した赤ラベルと、味や香りを追求した緑ラベルがある。
鞆酒造の保命酒は、砂糖や人工甘味料を使っていないことが特徴として紹介されている。
同じ保命酒でも、甘さやコク、薬味の香りの強さなどに違いがありそうだ。
次に鞆の浦へ行ったときには、ただ目についたものを買うのではなく、4社を少しずつ試飲してみたくなった。
保命酒にはどんな効能がある?
保命酒は昔から、体を気遣う人に親しまれてきたお酒だという。
ただし、現在販売されている保命酒は、医薬品ではなく「酒類・リキュール」に分類される。薬味が使われていても、病気の予防や疲労回復などの効能を保証するものではない。
岡本亀太郎本店も、保命酒を食品として扱うため、効能・効果や用量を表示せず、一部の薬味を非公開にしていると説明している。
「高麗人参が入っているから、これに効く」といった飲み方ではなく、薬味の香りと甘みを楽しむ伝統的なお酒と考えるのがよさそうだ。
もちろんアルコールを含むので、健康のためだからと量を増やすものでもない。
私の場合は、一度にたくさん飲むというより、少しずつ味わうくらいがちょうどいい。
入江豊三郎本店の保命酒を買い足すには
入江豊三郎本店には公式オンラインショップがあり、現在は次のようなサイズが販売されている。
- 300ml:1,050円
- 600ml:1,700円
- 900ml:2,230円
- 1,800ml:3,670円
価格は2026年9月に公式サイトで確認したもの。変更される場合がある。

公式オンラインショップでは、送り先1件につき税込5,000円以上の購入で全国送料無料となっている。保命酒だけでなく、本みりんや保命酒のど飴なども扱っているので、組み合わせて注文する方法もありそうだ。
また、広島市内では、本通りにある「ひろしま夢ぷらざ」の通販サイトに入江豊三郎本店の商品が掲載されている。実店舗での在庫は変わるため、出かける前に確認した方がよさそうだ。




私のように「同じ味をもう一度飲みたい」場合は、まず入江豊三郎本店のものを買い足すのが間違いない。
一方、味の違いも知りたいなら、次に鞆の浦へ行ったとき、4社の店舗を回って試飲するのが一番楽しそうだ。
次は飲み比べてから選んでみたい
鞆の浦で何気なく買った保命酒。
なくなりそうになって初めて、もっと買えばよかったと思うほど気に入っていたことに気づいた。
そして調べてみると、保命酒は一つの決まった味ではなく、4つの蔵元がそれぞれの製法と配合で守っているお酒だった。
まずは、入江豊三郎本店の保命酒をもう一度購入したい。
そのうえで、次に鞆の浦へ行く機会があれば、今度はほかのお店にも立ち寄ってみたいと思う。
同じ保命酒でも、どれくらい味が違うのだろう。
飲み比べるという、次の鞆の浦での楽しみが一つ増えた。






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