「2人ともいい友人。いっしょにいて楽だし、性格も好き。どちらかと2人だけならすごく楽しいのに、3人になるとちょっと気を遣う」そんな経験、ありませんか?
Aさんとふたりで行くランチは、たいてい笑いすぎてお腹いっぱいになる。
Bさんとふたりで行くランチは、落ち着けて、午後もがんばろうって気持ちになれる。
どちらも楽しい。
どちらも好き。
だから、3人でランチに行くことになっても、最初はちょっと得した気分だった。
好きな人がふたりも一緒で、お昼ごはんも美味しくて、きっと最高な時間になる——そんなふうに思っていた。
でも、席について、メニューを開いて、スプーンを握ったころには、なんとなく気づいていた。
あ、この感じ、前にもあったな。
言葉が少し、薄くなる。
わたしがAさんに話しかけると、Bさんが「それ知らないかも」と笑って返す。
Bさんの話にうなずこうとすると、Aさんの表情が少しだけ空を見ている。
誰かが置いてけぼりになるわけじゃない。でも、誰も完全には混ざれていない。
そして気づけば、わたしがその場の“通訳”みたいになっていた。
話題を橋渡ししたり、場のテンションを整えたり、沈黙を埋めたり。
別に頼まれてもいないのに、勝手にそうしてしまう。
会話はちゃんと続いていた。
でも、帰り道で小さく「ふぅ」とため息が出た。
3人の時間も嫌いじゃない。
それでもやっぱり、ふたりでいるときの静かな心地よさを思い出してしまう。
誰かと並んで食べるごはんって、内容よりも“空気”なのかもしれない。
おいしいかどうかより、疲れないかどうか。
わたしにとっての「いいランチ」は、そんな感じ。
明日は、どちらかとふたりがいいな。
ただそれだけのこと。
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