昔、同じチームにいた人を最近よく思い出す。
その人は他部署から異動してきた。
正直に言うと、仕事はあまりできなかった。
何度説明しても、なかなか伝わらない。
任せた仕事は、違う方向に進む。
周りがフォローしないと、前に進まないことも多かった。
当時の私は、その人が苦手だった。
どうして自分が間違えたことを認めないんだろう。
どうして反省しないんだろう。
どうしてそんなに自信満々なんだろう。
失敗しても、
「環境が悪い」
「教え方が悪い」
「仕組みが悪い」
そんな言葉が返ってくる。
私には理解できなかった。
私は逆だからだ。
何か問題が起きると、まず自分を疑う。
説明が悪かったのか。
確認不足だったのか。
もっとできたことがあったんじゃないか。
失敗すると何日も引きずる。
だから当時は、その人を見てイライラしていた。
でも今は違う。
最近、その人のことを羨ましいと思うことがある。
もちろん仕事ができないことを羨ましいとは思わない。
でも、自分を責めないところは羨ましい。
できない自分を受け入れているのか。
そもそも気づいていないのか。
それはわからない。
だけど少なくとも、私みたいに自分を追い込んではいなかった。
仕事で苦しくなると考えてしまう。
もっと頑張らないと。
もっとできるようにならないと。
迷惑をかけちゃいけない。
失敗しちゃいけない。
そんなふうに自分を締め付け続ける。
でもあの人は違った。
間違えても普通にしていた。
休みたい時は休んでいた。
いつもなぜか、堂々としていた。
自分を守ることに迷いがなかった。
最終的には、担当する仕事は合わないと判断されたのか、別の部署へ異動した。
組織としては扱いきれなかったのだと思う。
当時の私は、
「やっぱりな」
と思った。
でも今の私は、少し違うことを思う。
あの人はあの人なりに、自分を守りながら生きていたんだなと。
私はたぶん、あの人と同じようにはできない。
失敗したら気にするし、自分を責める。
できないのは自分のせいだし、自信がないから堂々とはできない。
性格は簡単には変わらない。
でも、少しくらいは見習ってもいいのかもしれない。
全部を自分の責任にしなくてもいい。
全部を背負わなくてもいい。
昔は大嫌いだった人なのに。
最近は、その人のことをたくさん思い出し、その人から学んでいる気がする。




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