エディオンピースウイング広島の好きなところを、ブログに書こうと思った。
改めて考えてみると、好きなところはいろいろある。
ピッチが近い。
どの席からも見やすい。
街なかにある。
屋根が大きくて、雨の日も比較的安心。
そんなことを調べているうちに、屋根について知らなかったことを見つけた。
ピースウイングの屋根の透明な部分には、「ETFEフィルム」という素材が使われているらしい。
ETFE?
何それ。
そこから、予定していなかった方向へ調べ始めてしまった。
あの透明な屋根、ガラスじゃなかった
ピースウイングの南側の屋根を見ると、一部分が透明になっている。
あれは単に明るくするためではなく、天然芝に太陽の光を届けるためのものだ。
観客としては、屋根が大きいほうがありがたい。
雨を防いでくれるし、強い日差しも遮ってくれる。
でも屋根を大きくすれば、そのぶんピッチに影ができる。
天然芝にとっては困る。
そこでピッチ側の屋根の一部を透明にして、光を取り込んでいる。
そして、その透明部分に使われているのがETFEフィルムという高機能フッ素樹脂だった。
太陽工業によると、ピースウイングに施工されたETFEフィルムは厚さ約0.5mm。重さは1平方メートルあたり約874gで、可視光透過率は約86.8%。
軽くて、光をよく通す。
しかも、国内の大型スタジアムの屋根にETFEが採用されたのは、ピースウイングが初めてだという。
何度も行っているのに、全然知らなかった。
そういえば、国立競技場にも透明な屋根がなかった?
ここまで調べて、ふと思った。
あれ? 国立競技場の屋根にも透明なところがなかったっけ?
確か、あちらも芝生に光を当てるためだったはず。
だったら国立競技場にも、同じETFEが使われているのだろうか。
気になって調べてみた。
すると、違った。
国立競技場も南側の屋根を透明にして、冬でも天然芝に日光が届くように工夫されている。
でも、こちらの透明部分に使われているのはガラス。
目的はよく似ている。
でも素材が違う。
これがなんだか面白かった。
しかも、どちらにも大成建設が関わっていた
さらに思い出したことがあった。
「国立競技場とピースウイングって、確か同じ建設会社が関わっていなかったっけ?」
これも調べてみた。
国立競技場を手がけたのは、
「大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体」。
一方、ピースウイングは、
「大成・フジタ・広成・東畑・EDI・復建・あい・シーケィ共同企業体」。
まったく同じチームではない。
でも、どちらにも大成建設が入っている。
ピースウイングでは大成建設が共同企業体の代表構成員で、設計にも施工にも携わっている。
つまり、国立競技場とピースウイングという二つのスタジアムには、大成建設が関わっているのだ。
それなのに、芝生への光を確保する透明屋根については、国立競技場ではガラス、ピースウイングではETFE。
同じ会社が関わっていても、同じ材料を使うわけではない。
どうしてピースウイングはETFEなのか
ピースウイングは、観客席を覆う大きな屋根を持っている。
一方で、サッカー専用スタジアムだから、天然芝の状態も非常に重要になる。
そこで南側の屋根には、軽くて透明度の高いETFEフィルムが採用された。
さらに面白いのが、その支え方だ。
太陽工業によると、一般的な鉄骨で細かく支えるのではなく、ケーブルを利用してETFEフィルムを支えることで、鉄骨量を抑えながら大きな透明屋根を実現している。
大成建設も、ピースウイングの南側屋根について、天然芝の日照を確保するために「国内スタジアム初のETFE膜屋根」を使用したと紹介している。
国立競技場が完成したのは2019年。
ピースウイングが完成したのは2023年。
わずか数年の差だけれど、スタジアムの用途も構造も違う。
そして、その場所に適した素材が選ばれている。
「新しいスタジアムだからETFEになった」と単純に言い切れるものではないけれど、ピースウイングでは、この軽くて光を通す素材が屋根の構造や天然芝への採光にうまく生かされているようだ。
好きなところを調べていたら、もっと好きになった
最初は、
「ピースウイングの好きなところを書こう」
と思っていただけだった。
それが、
「透明なところは何でできているんだろう」
になり、
「ETFEって何?」
になり、
「国立競技場も同じじゃなかった?」
になり、
最後には、
「えっ、両方とも大成建設が関わっていたの?」
までたどり着いた。
こういう寄り道は楽しい。
普段、私がスタジアムで見ているのは、ほとんどピッチだ。
選手を見て、試合を見て、応援している。
屋根なんて、雨が降ったときに「ありがたいな」と思うくらいだった。
でも、その屋根ひとつにも、
観客にはできるだけ屋根をかけたい。
でも天然芝には太陽の光を届けたい。
という工夫が詰まっていた。
次にピースウイングへ行ったら、たぶん私は一度、南側の屋根を見上げる。
「あれがETFEか」
と思いながら。
好きな場所って、こうやって知らなかったことを一つ知るたびに、また好きなところが増えていくのかもしれない。




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