スタメンを見て、鮎川峻選手の名前を見つけた。
「今日は鮎川選手のゴールが見られるかもしれない」
そんなことを思いながら始まった試合だった。
まさか、その鮎川選手が3点も取るとは思わなかった。
2026年9月12日、エディオンピースウイング広島で行われたサンフレッチェ広島対セレッソ大阪。
結果は6対1。
長くサンフレッチェを見てきたけれど、近年で一番盛り上がった試合と言ってもいいかもしれない。
とにかく、楽しかった。
久しぶりに「観戦日和」だった
この日は天気もよかった。
少し前までの観戦は、とにかく暑さとの戦いだった。
試合を見る前から汗だくになって、暑さ対策をして、それでも暑い。
そんな日が続いていたけれど、9月も半ばに近づいて、暑さもだいぶやわらいできた。
ようやく「観戦日和」と言える感じになってきた。

スタジアムに入って、コンコースから見えるピロパーも撮ってみた。
セレッソのサポーターさんたちは、ユニフォームがピンクで、目立つ。
両方のサポーターが、スタジアムが作った日陰でくつろぐ、この景色が好きだ。

そして、いつものように席からピッチを見下ろす。

何度来ても、この景色を見ると「今日も始まるな」とワクワクする。

この日はオープニングムービーが変わっていた。

急に始まって、見入ってしまい写真はこれだけ。
三味線で奏でられるかっこいい音楽とムービーで、試合前の高揚感が増した。
アレー選手がいない。でも、鮎川選手がスタメン!
メンバーを見て、まず気になったのはセバスティアン・アレー選手が入っていなかったことだった。
最近の攻撃を見ていると、アレー選手がいないのはやはり不安だった。
でも、それ以上に目に飛び込んできた名前があった。
鮎川峻選手。
スタメンだ。

どんなプレーを見せてくれるんだろう。
もしかしたらゴールが見られるかもしれない。
鮎川選手がスタメンで出る。
それだけで、試合前から私のワクワク感はMAXだった。
結果的に、その期待をはるかに超える試合になる。
選手たちが着ていた「3」のTシャツ
そして、試合前にはもう一つ、忘れられない光景があった。
選手たちがウォーミングアップのために出てきたとき、背番号「3」のTシャツを着ていた。
山﨑大地選手の背番号だ。
山﨑選手は8月26日の天皇杯・沖縄SV戦で負傷し、前十字靱帯再建術などの手術を受け、全治10か月の見込みと発表された。
しかも、山﨑選手にとって大きなケガはこれが初めてではない。
前十字靱帯の負傷は3度目だという。
本人も「悔しいし、怖い」と率直な思いを明かされていた。
それを読んだときは、本当に胸が痛くなった。
今季は試合にも出続けていて、これから何年もサンフレッチェのディフェンスを支えていってほしいと思っている選手だ。
だからこそ、また長いリハビリに入らなければならないことが本当に残念だった。
選手たちも、山﨑選手になんと声をかけたらいいのかわからなかったという。
そんな中で、みんなが背番号3のTシャツを着てピッチに出てこられていた。

Tシャツにはメッセージも書かれていた。
言葉だけでは伝えきれないものがあるからこそ、こういう形になったのかもしれない。
「みんな待っているよ」
「一緒にいるよ」
そんな思いが伝わってくるようだった。
そして、試合終了後にも選手たちはこのTシャツを着ていた。

大勝してみんなが喜んでいる日にも、山﨑選手のことを忘れていない。
ファミリーとしての、サンフレッチェ広島を感じた。
いきなり鈴木章斗のPKで先制
試合は開始早々から動いた。
前半9分、セレッソ大阪のハンドでPKを獲得。
キッカーは鈴木章斗選手。
これを決めて、まず1対0。
早い時間帯に先制できただけでもうれしい。
ところが、この日のサンフレッチェはここから止まらなかった。
鮎川峻、1645日ぶりのJ1ゴール
前半18分。
鮎川選手が自陣からボールを運び、鈴木章斗選手へ。
そこから東俊希選手へボールが渡り、東選手のクロスに鮎川選手が合わせた。
ゴール!
鮎川選手だ!
試合前に、
「もしかしたら鮎川選手のゴールが見られるかも」
と思っていた。
本当に見られた。
しかも、このゴールは鮎川選手にとって、2022年3月12日のFC東京戦以来、1645日ぶりとなるJ1でのゴールだった。
4年半近い。
大分トリニータへの期限付き移籍を経て、今季サンフレッチェに戻ってきた鮎川選手。
久しぶりのJ1スタメンでゴール。
それだけでも十分すぎるくらいうれしかった。
この時点では。
まだ入る。鈴木章斗が2点目
前半アディショナルタイム。
今度は中野就斗選手のクロスから、鈴木章斗選手。
これも決まった。
3対0。
え?
前半だけで3点?
こんなに入る?
このあたりから、スタジアム全体がものすごく楽しい雰囲気になってきた。
ゴールが入るたびに大型ビジョンに映像が流れ、スタンドが沸く。

「今日は勝てそう」
というより、
「今日はどこまで行くんだろう」
そんな気持ちになってきた。
後半も止まらない
後半に入っても勢いは止まらない。
55分、中野就斗選手がゴール。
4対0。
さらに、そのわずか2分後。
また鮎川選手!
加藤陸次樹選手のクロスに鮎川選手がヘディングで合わせた。
最初はゴールになったのかよくわからなかったが、VARのチェックが入り、ゴールラインを越えていたことが確認された。
鮎川選手、この日2点目。
5対0。
もう、笑ってしまうくらいゴールが入る。
サッカーを見に来て、こんなに何度も立ち上がって喜ぶ日なんて、そうそうない。
そして、3点目をめぐるPK
そして80分。
サンフレッチェが再びPKを獲得した。
この時点で鈴木章斗選手は2得点。
鮎川峻選手も2得点。
つまり、どちらが蹴って決めてもハットトリックになる。
あとから知ったのだが、鮎川選手が蹴りたいと鈴木選手に伝え、鈴木選手が譲ったのだという。
これを知って、鈴木章斗選手、かっこいいなと思った。
鈴木選手だってハットトリックを決めたかったはずだ。
FWなら、なおさらだと思う。
それでも鮎川選手に譲った。
そして、鮎川選手がPKを蹴る。

相手GKに触られながらも、ボールはゴールへ。
ハットトリック!
試合前、
「鮎川選手がスタメンだ。もしかしたらゴールが見られるかも」
なんて思っていた選手が、まさか3点も取るとは。
しかも、プロキャリア初のハットトリック。
こんなことがあるんだなぁ。生で見られて、幸せだ。
18歳・野口蓮斗選手のプロデビューも
鮎川選手はハットトリック達成直後に交代。
代わってピッチに入ったのが、18歳の野口蓮斗選手だった。
これがプロデビュー。

6対0という展開だからこそできた交代でもあるのだろうけれど、若い選手が初めてJ1のピッチに立つ瞬間まで見ることができた。
この日はゴールだけでなく、いろいろな「初めて」に立ち会う試合になった。
終了間際にセレッソ大阪の上門知樹選手に1点を返され、最終スコアは6対1。

それでも、文句なしの大勝だった。
マン・オブ・ザ・マッチはもちろん鮎川選手
試合後、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは、もちろん鮎川峻選手。
そして、大型ビジョンにも鮎川選手。

スタメン発表を見たときから楽しみにしていた選手が3得点。
こんな試合に現地で立ち会えるなんて、本当に幸せだ。
サッカー観戦って、こういう日があるからやめられない
6対1。
数字だけを見ても、とんでもない試合だ。
でも、現地で見ていた私にとっては、それだけではなかった。
久しぶりにJ1でスタメンに入った鮎川峻選手が、1645日ぶりのJ1ゴールを決め、そのままハットトリック。
鈴木章斗選手は2得点を決めながら、3点目のチャンスとなるPKを鮎川選手に譲った。
中野就斗選手もゴール。
18歳の野口蓮斗選手はプロデビュー。
そして、選手たちは長期離脱する山﨑大地選手の背番号3を身につけてピッチに出てきた。
一つの試合の中に、いろいろな選手の物語があった。
それを目の前で見られる。
やっぱり、サッカー観戦は面白い。
天気もよくて、暑さも少しやわらいで。
次から次へとゴールが決まって。
そのたびにスタンドのみんなで立ち上がって喜んで。
こんなに楽しい試合、なかなかない。
長くサンフレッチェを見てきたけれど、間違いなく記憶に残る一日になった。










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