実家に帰省したら、母から突然、
「これ、食べてみて」
と、何やら黒くてテカテカしたものを出されました。
なんだ、これは。
見た目だけでいうと、正直ちょっと怖い。
「これ、何?」
と聞くと、
「黒にんにく」
とのこと。
黒にんにく。
名前くらいはどこかで聞いたことがあったような気もしますが、私はほとんど知りませんでした。
まさか実家で作っていたとは。
初めて黒にんにくを食べてみた
写真を撮るため、半分皮をむいたところで写真を撮りました。
残りの皮をむくと、ニンニクの形で全部黒い物体が現れます。

恐る恐る食べてみました。
見た目から、もっと強烈な味を想像していたのですが、意外と食べやすい。
普通のにんにくよりずいぶん柔らかくなっています。
黒にんにくについて調べると、「甘い」「ドライフルーツのよう」と表現されることもあります。
ただ、私が食べたものについては、
「そんなに甘いかな?」
というのが正直な感想でした。
にんにくの味はする。
でも、生のにんにくを食べるような刺激の強さではなく、柔らかくて普通に食べられる。
見た目から想像したほど怖い食べ物ではありませんでした。
なぜ実家に黒にんにくがあるのか
そもそも母は、なぜこんなものを作っているのでしょう。
聞いてみると、
「体にいいから」
という、実にシンプルな答えでした。
父と母は、毎日1粒ずつ食べているそうです。
そして、その材料にするために、実家ではにんにくまで大量に作っています。
にんにくを育てる。
収穫する。
それを黒にんにくにする。
そして毎日1粒食べる。
知らない間に、そんな習慣ができていました。
両親によれば、
「これを食べているから風邪もひかない」
とのこと。
もちろん、本当に黒にんにくだけのおかげなのかはわかりません。
でも、年齢のわりには二人とも基本的には元気なので、本人たちは黒にんにくをかなり信頼しているようです。
そもそも黒にんにくとは?
黒にんにくという名前なので、私は最初、
「黒い種類のにんにくがあるのかな?」
と思いました。
そうではありません。
普通のにんにくを、一定の温度と湿度の環境で長期間加熱・熟成させて作るものです。
農林水産省の黒にんにく製造に関する資料では、60~75℃で14日以上、一般的には15~30日程度加熱熟成させる工程が紹介されています。
長い時間をかけることで、中身があの真っ黒な状態になっていくのですね。
実家には「黒にんにくを作る機械」があった

そして実家には、黒にんにくを作るための機械までありました。
においがするので、外に置かれていました。
見た目は炊飯器のようです。
私はこれまで存在すら知りませんでした。
母は収穫したにんにくをこの機械に入れて黒にんにくを作っているそうです。
ちなみに、黒にんにくは保温ジャーなどを利用して作る方法も知られています。
ただし、長期間にわたって一定の温度で加熱する食品なので、家庭で作る場合は使用する機器の説明書や衛生管理には十分注意したほうがよさそうです。
専用機が売られている理由も、実物を見て少し納得しました。
黒にんにくは体にいいの?
母に「体にいい」と言われたので、ここが一番気になりました。
調べてみると、熟成したにんにくについては、S-アリルシステイン(SAC)やポリフェノールなどの成分と抗酸化活性について研究されています。
熟成にんにくエキスを調べた研究では、通常のにんにくなどと比較して高い抗酸化活性が確認され、S-アリルシステインや総ポリフェノール量との関連も報告されています。
一方で、
「黒にんにくを毎日食べれば風邪をひかない」
「これさえ食べれば病気にならない」
とまで言えるわけではありません。
食品の健康効果については、一つの成分や一つの食品だけを見るのではなく、食生活全体で考える必要があります。
なので、両親が風邪をひかないのは、
「黒にんにくのおかげかもしれないし、そうではないかもしれない」
くらいに考えておくのがよさそうです。
調べて驚いた。黒にんにくって結構高い
そしてもう一つ驚いたことがあります。
黒にんにくの値段です。
何気なく検索してみたら、
「えっ、こんなにするの?」
と思いました。
考えてみれば当然なのかもしれません。
にんにくそのものを用意して、さらに何週間もかけて加熱熟成させる。
手間も時間もかかっています。
実家では畑で作ったにんにくを母が機械に入れているので、私は何となく「畑で採れたもの」くらいにしか思っていませんでした。
でも、商品として買えば結構いいお値段です。
急に、母が作った黒にんにくがありがたいものに見えてきました。
見た目で怖がっていたけれど

最初に出されたときは、
「なんだ、この黒くてテカテカしたものは」
と思いました。
ところが食べてみれば、意外と普通。
そして調べてみれば、作るのにかなり時間がかかる食品でした。
さらに実家では、そのためのにんにくから育てていました。
私はこれまで黒にんにくのことをほとんど知らなかったのに、両親にとっては、
「毎日1粒食べるもの」
になっていたのです。
実家に帰ると、ときどき自分の知らない生活習慣に出会います。
今回の黒にんにくも、その一つでした。
今度実家で、
「黒にんにく、食べる?」
と聞かれたら、
最初のように怖がらずに、
「1粒ちょうだい」
と言えそうです。





コメント