エディオンで、思わず足が止まった
先日、エディオンに行ったときのことです。
オーディオ売り場を見ていたら、懐かしいものが目に入りました。
ラジカセです。
「えっ、今もラジカセって売ってるんだ」
ちょっと驚いて、思わず見てしまいました。
写真を撮っておけばよかったのですが、買うわけでもないのにお店で写真を撮るのもどうかな、と思って、そのまま帰ってきました。
でも、家に帰ってからも少し気になりました。
今はスマホで音楽を聴く時代です。
サブスクもあるし、Bluetoothスピーカーもある。
それなのに、なぜ今もカセットを再生する機械が新品で売られているのでしょう。
そういえば、ダブルカセットではなかった
もう一つ気になったことがありました。
私がエディオンで見たラジカセは、カセットを入れるところが一つだけでした。
昔のラジカセというと、私の中では「ダブルカセット」の印象が強く残っています。
カセットを2本並べて入れられるものです。
なぜ2つ必要だったのか。
今考えると答えは簡単です。
ダビングするためでした。
借りたカセットを別のカセットに録音したり、自分の好きな曲だけを集めたテープを作ったり。
今ならプレイリストを作れば数分で済むようなことを、当時はカセットからカセットへ録音していました。
録音が終わるまで待つ時間も必要でした。
それを、特に不便だとも思っていなかった気がします。
ところが、ダブルカセットもまだ売っていた
「今はダビングする必要がないから、ダブルカセットはなくなったんだろうな」
そう思って調べてみたら、違いました。
今もダブルカセットの新品がありました。
東芝ライフスタイルの「AX-KCRW70」は、カセットを2本入れられて、テープからテープへのダビングだけでなく、高速ダビングにも対応しています。
CDからテープ、ラジオからテープ、外部入力からテープへの録音もできます。
令和の今も「高速ダビング」という言葉を見るとは思いませんでした。
しかも2026年に新しいラジカセが発売されている
さらに驚いたのが、昔の商品が売れ残っているわけではないことです。
東芝ライフスタイルでは、2026年6月に新しいラジカセ「AX-KR50」を発売しています。
AM・FMラジオが聴けて、カセットの再生・録音ができる、ごく普通の「ラジカセ」です。
つまりラジカセは、昔の製品が細々と残っているだけではなく、今でも新製品が作られている商品でした。
これはちょっと意外でした。
じゃあ、カセットテープそのものは?
ここまで来ると、もう一つ疑問が出てきます。
「機械があっても、カセットテープは売っているの?」
調べてみると、カセットテープも現在、新品を購入できます。
考えてみれば、再生・録音するラジカセが新品で作られているのですから、テープを必要としている人もいるということなのでしょう。
昔録音したカセットを持っていて、それをもう一度聴きたい人もいるでしょう。
ラジオや語学学習、お稽古などをカセットに録音して使っている人もいるのかもしれません。
「カセット=完全に昔のもの」と思っていた私のほうが、勝手にそう思い込んでいただけでした。
そういえば、私は今もカセットを持っている
「今でもカセットテープを使う人がいるんだろうか」
そんなことを考えていて、ふと気づきました。
私自身が、まだ持っていました。

松田聖子さんや松任谷由実さんなど、昔買った音楽のカセットです。
当時、アルバムは2,800円くらい、シングルは1000円くらいで買ったものです。
もう普段聴くことはありません。
同じ曲を聴こうと思えば、今ならもっと簡単な方法があります。
それでも、なぜか捨てられませんでした。
考えてみれば、カセットそのものだけを残しているわけではないのかもしれません。
お店で選んで、お金を出して買って、何度も聴いた。
ケースを開けてテープを取り出して、ラジカセに入れて再生ボタンを押す。
そうやって聴いていた頃のことまで、一緒に残しているような気がします。
だからエディオンでラジカセを見つけたとき、思わず足を止めたのかもしれません。
「まだ売っているんだ」
と驚いたけれど、よく考えてみれば、私の家にもまだカセットがある。
もしラジカセを買えば、あのテープをもう一度聴くこともできるんですよね。
そう思うと、今もラジカセが売られている理由が、少し身近に感じられました。
私にとってカセットは、音楽だけではなかった
カセットのことを考えていたら、中学生の頃のことまで思い出しました。
私は当時、深夜ラジオをよく聴いていました。
ラジオを聴くだけではなく、発信する側にも少し憧れていたのだと思います。
自分でしゃべったものをカセットテープに録音して、友達に聴いてもらったこともありました。
今ならスマホ一つあれば、音声を録音して配信することもできます。
私自身、今はstand.fmで話すことがあります。
考えてみると、やっていることの根っこの部分は、中学生の頃とあまり変わっていないのかもしれません。
道具がカセットテープからスマホに変わっただけ。
そんなことまで、エディオンで見かけた一台のラジカセから思い出しました。
不便だったけれど、妙に楽しかった
カセットテープは便利ではありませんでした。
聴きたい曲まで早送りして、
「このくらいかな」
と思って再生したら、行き過ぎていて、また巻き戻す。
A面が終わったら、取り出して裏返す。
ダビングには時間がかかる。
今の音楽の聴き方と比べれば、ずいぶん面倒です。
でも、その面倒くささも含めて記憶に残っています。
だから今、カセットを知らない世代がカセットを面白いと思う気持ちも、なんとなく分かる気がします。
ラジカセは、まだ終わっていなかった
エディオンでラジカセを見つけたときは、
「まだ売ってるんだ」
くらいにしか思いませんでした。
ところが気になって調べてみたら、2026年にも新製品が発売され、ダブルカセットまで現役でした。
そして私は、中学生の頃にカセットへ自分の声を録音していたことまで思い出しました。
今度家電量販店へ行ったら、もう一度ラジカセ売り場を見てみようと思います。
そして今度こそ、カセットテープも売っているのか探してみたいです。
もしかすると、ラジカセを見て懐かしいと思っている私の横で、
「カセットって、なんだか新しい」
と思って見ている人もいるのかもしれません。






コメント